以前にもブログで書いたのですが、
先日の広島道場MGでの話をもう少しまとめてみました。

前回のブログはこちらです。→ 数字に強くなるコツ

MGを勉強する目的(動機)のひとつは、「生きた経営」を学ぶことです。

そして経営には、計数や数字の部分を避けて通ることはできません。
そもそもMGがソニーで開発された経緯は、エンジニアにもゲーム感覚で楽しく経営や計数を勉強してもらう意図があったのですから。

しかし、どうしても苦手意識がぬぐえないという人は
次の5つのことを意識してやってみてください。

1.ゼロを書く、空欄は全部埋める
最初は手順を守る。 云われた通りにする。
数字に強くなるコツの最初は、まずは「きちんと書く」素直さです。

そこから応用を考える、意味を考えることが「創造」への第一歩です。

2.差額を書く
違算が出たときは「何円」と、きちんと差額を書きます。

記入することで、いったん間を空けます。
すると不思議なことにその金額が帳票から浮かび上がってきます。
「ミス発見器」に数字を記入することで、意識を他のことに向けさせるからです。

「省脳」とはそういう意味です。

3.減価償却費
固定資産会計が産業革命の只中、19世紀のイギリスで誕生しました。
鉄道の誕生です。
そのときに、鉄道会社の一人のリコモンが考えたのは、費用の延べ払い(先送り)でした。

鉄道建設という莫大な設備投資をいっぺんに費用(経費)に計上してしまえば、大赤字になってしまいます。
そこで、投資した設備(費用)を使用する期間で按分して、先送りできるルールを考えました。
このアイデアは投資家にも鉄道会社にも好都合でした。 儲けも「平準化」できるからです。

この新ルールによって会計は
1.収入ー支出=純収入(現金主義)から
2.収益ー費用=損益(発生主義)という進化を遂げることになったのです。

雨、蒸気、速度 グレート・ウェスタン鉄道 1844年 ターナー作

4.会計恒等式
会計はお風呂の浴槽をイメージするとわかりやすいです。

フローはお湯の流入と流出で、ストックは残ったのお湯の量です。

会計恒等式の前期繰越と次期繰越がストック(お湯の残り)で、当期インと当期アウトがフロー(お湯の流れ)です。

浴槽にたまるお湯の量が増えれば、そのぶんが利益です。
あるいはお湯の量が流入>流出であれば利益が出ます。

企業活動におけるお湯の増減分を表すのがB/Sであり、運動量を表すのがP/Lなのです。

MGではビジュアルで経営の流れを会社盤を通して見ることができます。
また、MX会計表もまったく同じ理屈で構成されているのがわかります。

「人事屋が書いた経理の本」より

5.読解力
最近、痛切に感じることです。

書かれている問題の意味がわからない。 決算プログラムに書いてある説明文の意味がわからない。
決算書の単語や勘定科目の意味がわからない。

言葉は読めるのですが、その意味や意図が意味不明。

確かに会計用語はわざとらしく意味不明な言葉が羅列されていますが、
要は馴れることと、その単語の意味を考えることです。

わかるようになるには努力(熱意)すればできるのですが、読解力を身につける最短の道は「読書」です。

以上5つの能力は訓練で身につけることができます。
MGは訓練、訓練、そして訓練です。

自分で間違いを発見できたときや、自力で帳票を完成させた時の達成感は何者にも代えがたい自信となります。

優しい楽しいだけのMGは身には付かないし、結局モノにはなりません。

MG研修の案内はこちらです。

〈初出日 2020.0207〉