意思決定の訓練をするのがMGなのに、そのなかに「Do Nothing」があるのを不思議に思ったことはないですか?

経営(マネジメント)に必要な3つの要素は

1.バランス
2.タイミング
3.スピード  です。

この3つを組み合わせて我々は日々、意思決定を行います。

そしてドラッカーによれば、「何も行わないことで事態が悪化しないのであれば、何もしないというのも、立派な選択肢だ」というのです。
「何もしない」という意思決定もあるというのです

行動を取ることによって、得られるものがコストやリスクよりも大きい場合は行動するべきであり、
逆の場合は行動しないほうがいい
という意味です。

当たり前ですが、それは結果を見てそう言えることであり、事前にそれを予測できるのは至難の業です。

まず、なにをやるのか?(What to) これが戦略会計の真髄部分です。
やるのか? やらないのか?

それが決まって、どうやるのか?(How to)です。

ですので、行動した結果がドカ貧になるのなら「やらない」「行動しない」というのは立派な戦略的意思決定です。

MGの中にもそれ(Do nothing)はあります。 
でもそれはドラッカーの云う「何も行動しない。 じっとする」の意味が違うと思います。

競争に参加しない。 入札に参加しない。 商品を売りに出さない。
これがMGでの「Do nothing」であって(つまり行動レベルの領域であって)
ドラッカーのいう戦略レベルでの「Do nothing」とは、MGそのものに参加するか?しないのか?
というものです。

投入する資源や資本 行動することによって発生するコストとそのリターン(収益)とのバランスで
得られるものが少ない場合はその時は静観すること。 静謐、動かない。

様子を見る
潮目の変化を待つ
先を読んでから、だから今は動かない

それが「Do nothing」です。

MGのゲームで、勘違いしているひとを時々見かけます。
自分の行数が進んで、他人の意思決定を増やすために「Do nothing」を連発するひとです。
あれは百害あって一利なし(邪道)で、互恵力でも何でもありません。

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〈初出日 2018.1025〉